研究テーマ

高分子ゲルを用いた人工バイオマシンの創製

研究概要

おもなテーマ

  1. 生体の代謝反応(TCA 回路)の化学モデルでもあり,化学振動反応として知られているベローソフ・ジャボチンスキー反応(BZ 反応)をゲル内で引き起こし,その化学変化を力学変化に転換する分子設計を行うことにより,ゲルの周期的な膨潤収縮振動を生み出すことに成功しました。
  2. このような自律的な運動をするゲルを生体模倣アクチュエータへ応用する研究として,尺取り虫のように周期的な屈曲運動を繰り返しながら自ら歩くアクチュエータゲル (Self-walking gel) が作製されました(早大・橋本周司教授との共同研究)。
  3. 未架橋の自励振動高分子を用いることにより,新しいナノ振動子として,周期的運動リズムを生み出す種々の分子マシンや分子シャトル等への展開が期待されます。
  4. ゲルを媒体としてある種の化学反応を起こすことにより,動物や魚の皮膚に見られるような斑点や縞模様,あるいはバクテリアのように自己分裂・自己増殖するパターンを自発的に作り出すことができます。
  5. 毛細管マイクロモールド法 (MIMIC) とコロイド結晶を用いた鋳型重合法を組み合わせることにより,リン酸基含有刺激応答性多孔体ゲルの基板上へのパターニングを行い,これをアパタイト析出の足場とすることでアパタイトの微細構造配列制御を行うことを試みています。
  6. 外界とエネルギー・物質の移動に開放的なゲルを用いることにより,可視光と水を供給源として,水素と酸素を発生させる人工葉緑体の実現を目指しています。
  7. 一方,生体環境下で機能させる別の手法として,生体内に見られる酵素振動反応をゲル内に組み入れることで,生体基質存在下で自励振動するゲルシステムの構築を試みています。
  8. また,機能性ゲルを素子として薬物放出制御 (DDS) チップDNA 分離チップなどへ組込む研究も試みています。
  9. ゲルを用いてアクチュエータなどへの応用を図る場合,ゲルがどれくらい速く膨潤収縮変化するかというキネティックスが重要な問題となります。
  10. 近年,金ナノ粒子が水溶液中で凝集により色変化する特性を用いて,単一ヌクレオチドのセンシングや抗原センシングなど,種々のバイオ分析分野への応用が試みられています。
  11. その他
    • フォトクロミック部位を導入した自励振動高分子による振動の光制御
    • 光リソグラフィーや光描画による機能性ゲルの微細加工およびマイクロパターニング
    • 刺激応答性ゲルを用いた自己振動型薬物放出システムの設計
    • 分子認識ゲルによる環境汚染物質の捕捉回収