研究テーマ

医療・診断用チップへの応用

また,機能性ゲルを素子として薬物放出制御 (DDS) チップDNA 分離チップなどへ組込む研究も試みています。
例えばチップ内に薬物貯蔵部位を設け,その出口通路に局所的光重合でゲルを作っておくと,病的信号に応答して門を開閉して薬物を放出するシステムができます(図)。
体温変化や pH 変化の他,グルコース濃度に応答してインスリンを放出する薬物放出チップなどの設計を行っています。

さらに自励振動するゲルを埋め込むと,マイクロ拍動ポンプとして周期的に薬物放出する動力源にすることができると期待されます。
これは電気的な駆動力を必要としない化学エンジンであり,外部電源との配線接続のない完全独立型の薬物放出チップとして使用できる利点があります。
このように,微細加工技術と融合することにより,今後ゲルの機能性材料としての新しい展開・応用がますます広がってくると思われます。

PDMS で作成された薬物放出制御チップ(左)と,医療用チップのマイクロチャンネル中に作成された,薬物放出を自動的に制御するマイクロゲルバルブ(右)。
室温ではゲルが回路をふさいでいる(右写真 上)が,温度が上がるとゲルが収縮し,薬が流れ始める(右写真 下)