研究テーマ

研究概要

高分子ゲルを用いたバイオミメティックシステム

バイオミメティックスの説明

生体は,情報の伝達,物質の輸送,運動や力の創生などが分子レベルでの協調によって起こる究極の材料システムといえます。
生体を手本とし,その機能を代替したり模倣したりする材料・システムを,「高分子ゲル」を使って人工的に設計・構築することを試みています。

また,材料が環境と調和しながら自己組織化する過程を分子間の相互作用を通して調べることは,生体機能の本質を解明するための重要な手掛かりを与えてくれるでしょう。

このように,生物が有する優れた物質や機能を広く人工的に取り入れ,生物類似あるいはそれを越える機能を有する物質・材料系やシステムを実現する研究を行っています。

外部環境変化に応答するインテリジェント材料

温度や pH 変化などの外部環境変化に応答して形態変化する高分子材料(ゲル)を開発し,生体機能を模倣したインテリジェント(スマート)な材料システムの設計・構築を行っています。
ゲルの物理的・化学的構造を分子設計することによりその機能を制御し,生医学分野やバイオミメティックス分野(人工筋肉,薬物送達システム,バイオセンサー,情報伝達素子など)への応用を図っています。

また最近では,心筋のように自発的にリズム運動する「生きているような」機能性ゲルを開発し,分子ペースメーカー,蠕動マイクロアクチュエータや拍動マイクロポンプなどへの展開と試みると同時に,その挙動解析を通して生体系の種々の非線形非平衡・自己組織化現象の原理を探求しています。

根本となるメカニズムはゲルの体積相転移現象です。
この現象により実際の細胞のふるまいを説明しようとする試みすらあります。
この分子論的特性と,開放系物質としてのシステム論的特性が発現されたとき,ゲルは生きている組織体に近づいてゆきます。

なぜゲルを扱うのか?・・・「細胞 (Cell) はゲル (Gel) である」

細胞とゲルの類似性の説明

その物理化学的な性質において,細胞とゲルはよく似ています。
ゲルの性質の中には,生命の本質に迫る,共通かつ普遍的なメカニズムがあります。
その本質を抽出しうまく利用すれば,ゲルを使って細胞と同様な機能(運動機能,物質輸送機能,情報変換・伝達機能など)を持つ材料を人工的に作ることができるでしょう。

それは必ずしも生体物質だけを扱うことを意味するものではありません。
全く違った物質を使って同じ原理で生体機能を人工的に再現できたとき,我々は本当にバイオに学んだといえるでしょう。
バイオを超えたバイオへの挑戦が,そこにはあります。

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