東京大学大学院
工学系研究科

マテリアル工学専攻

吉田 亮 研での研究を希望する方へ

吉田より

吉田 亮

バイオ材料研究は一見華やかに見えますが、華やかに見える研究でも、先人の行った穴埋め的研究であったり、時流に乗り遅れまいとの意図が明らかな研究もあります。何が独創的であり先駆的なのかを見分けることのできる目を養うことが大事だと思います。

つまり学生に言いたいことは、「オリジナルな仕事をせよ」ということです。すでに人のやったことをそのまま追って、その穴を埋めるような研究ではなく、真っさらなところから、初めは大ざっぱでもいいので何か新しい枠組みをつくるような、できるだけ独創性の高いパイオニア的な仕事をしてもらいたいと思います。

私自身、先人のやった研究、原理、考え方をそのまま適用あるいは真似し、モノをちょっと変えて良いものができました、という研究スタイルは好きではありません。学術分野や領域が多様化した現在、それは大変難しいことではありますが、概念や原理原則を根本から打ち立てる、あるいは変えるような研究がしたいというのが理想です。常に挑戦し続けることが大事です。

吉田 亮

ある程度完成された研究に従事していくことは、すでにその価値が外部から評価されているという意味で非常に楽で、そのとき学生は何となく自分がいい研究をやっているという錯覚に陥りがちです。しかし本当の勝負は、将来自分が研究者として独立したとき、自分がリーダーとなり研究組織を持ったときで、そこで自分がどんな新しい領域をつくるか、何を新しく立ち上げるか、だと思います。その訓練をせよ、という意味も込めてます。

そういう意味で、何が独創的であり先駆的なのかを自身で見分けることのできる目を磨いてもらいたいです。そのために知識は必要であり、そしてまた、その分野の歴史を知ることも重要です。学生には、そういう目を養ってほしいと思います。

一緒に目を磨きましょう。

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